VRS

解説

 高校・大学を通じて架空鉄道サークルの運営に関わっていた遠坂 拓氏が大学卒業後、高校時代に結成した「OKET刊行会」、大学時代に結成した「山形大学鉄道経営研究会」の2架空鉄道サークルを融合させ、新たに会員制架空鉄道コミュニティサイトとして1998年に開設したのが、「VRS」(活動時期:1998年~2001年)である。
 VRSの名称は、「Virtual Railway System」の頭文字を取って付けられた。

 インターネットがそれほど普及していなかった当時、会員制とは言え、インターネット上の架空鉄道コミュニティサイトとしては初めての存在であったと考えられる。

 2つの架空鉄道サークルに関わった遠坂氏とともに、「OKET刊行会」に参加していたShinobu-Bey氏(「東上鉄道」(後のベイ・コーポレーション)を制作した)が運営の中心となっていて、特にサイトの技術面に関しては、独自CGIで架空鉄道向けコミュニティ機能を実装したShinobu-Bey氏が専らその役目を担っていた。
 (なお、独自CGIによって架空鉄道向けに特化したコミュニティサイトを構築した事例は、VRS閉鎖以後未だに現れていない)

 2000年3月には非会員制サイトとしてリニューアルされ、架空鉄道向けに特化した、独自CGIによる高度な機能と、非会員制架空鉄道コミュニティサイトとしては先発であった「日本架空鉄道協会」にない自由さ(自分の架空鉄道サイトを作ることすら必須ではなかった)から、参加者数は急激に増え、末期には300を超える架空鉄道が登録されていた。

 しかしながら、参加メンバーの急激な増加は様々な問題を引き起こし、簡単に登録できることから名前だけの架空鉄道が急増した他、ちょっとした悪天候や事件があるたびに「プレスリリース」に各メンバー(架空鉄道)による投稿が乱発されたり、あるメンバーの他メンバーの干渉などにより、掲示板上でのいざこざも頻発するようになっていた。

 特にVRSの場合、独自CGIによる高度なコミュニティ機能を実装していた反面、サーバーに高負荷がかかりやすいと言う技術的な弱点があり、上記のように"プレスリリースの乱発"がされることは、サイト上の情報の氾濫だけでなく、サイト動作上の致命傷になりかねない問題でもあった。

 こうした数々の問題は、運営者サイドにサイト運営のために多大な労力を割かせる事となり、後に「911」の騒動をきっかけとするサイト閉鎖の遠因となった。

 2001年9月11日、アメリカ合衆国内で旅客機ハイジャックによる同時多発テロが発生した直後に、「かにさん緑美原鉄道」を制作していたかにれいる氏他1名が、同事件を架空鉄道に絡めたプレスリリースを出したことによってVRSの掲示板は騒然とした状態となり、その2日後、2001年9月13日に、掲示板など一部の機能を残してVRSは閉鎖された。

関連ページ

 遠坂鉄道について
 http://www.geocities.co.jp/SilkRoad/6301/about.htm

関連項目


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Last-modified: 2012-06-06 (水) 22:25:39 (4339d)