「ええ架空鉄道」に対する揺り戻しとコミュニティ円熟期→個別分散化

 Web架空鉄道において、架空鉄道の中身(コンテンツ)そのものを充実させようという動きは、架空鉄道制作技術の向上・普及に寄与したが、同時に他の架空鉄道サイトに対する見方が厳しくなることとなり、そうした動きについていけない者たちによる「コテハン批判」(本来匿名掲示板である「2ちゃんねる」上の「ええ架空鉄道。」スレッドで、固定ハンドルによる投稿が幅を利かせているのはおかしいのではないか、という点が批判された)を発生させることとなり、以後コミュニティ上で先鋭的に架空鉄道制作論を追求する動きは収束していった。

 上記の「コテハン批判」が背景にあり、その後は鉄道架空板架空鉄道チャット上にて、架空鉄道制作論的な話題を含む様々な話題の話が引き続き展開されたり、人気投票である架空鉄道最萌トーナメントが開催されるなどして、2002年~2003年当時のWeb架空鉄道趣味界はコミュニティ的には比較的盛り上がった状況にあった。

 しかし、2003年7月に堀田事件が発生し、これらコミュニティはその機能が事実上停止することとなり、架空鉄道コミュニティサイトは以後動きが少なくなっていった。

 架空鉄道ポータルサイトとしての架空鉄道NAVIは現在に至るまで最大のポータルとしての地位を占めているが、コミュニティに関してはその機能をあまり持たず、他のサイトが受け持っていたため、各種トラブルとともにコミュニティサイトは盛衰を繰り返した。

 堀田事件以後、特に2000年代後半になると嗜好が合う趣味者同士でコミュニティを作り、分化する傾向が強くなったために、かつての日本架空鉄道協会(初代)VRSの2大コミュニティ時代のように、Web架空鉄道趣味界を代表するようなコミュニティサイトは出てこなくなった。

 とは言え、各所に目を向ければ、Twitterなどのコミュニティツール上で特定の架空鉄道趣味者のコミュニケーションがされていたり、ニコニコ動画にて架空鉄道動画をUPすると共にコミュニティが発生したり、あるいはしたらば掲示板上などでの架空鉄道趣味者同士の交流は継続されており、コミュニティが無くなったというわけではない。

 また、架空鉄道NAVI上でも新規の架空鉄道の登録はなおも継続して行われていることから、(サイトの内容はともかく)Web上における架空鉄道趣味自体はある程度定着している状況ではないかと考えられる。

 その他Web以外の模型や同人誌による架空鉄道の表現を志す動きも、多くはないが今だ健在である。


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Last-modified: 2012-06-21 (木) 23:00:57 (4329d)